マイアミからカンザスシティへの贈り物。まあ17週中1試合ぐらいアップセットがあるかなと期待したが、まさかこの試合とは。持てるものは全て出し切った髭フィッツ。320ヤード。決勝ドライブはブレイディの如く、落ち着いて冷静。常にバタバタとする魅力を封印。いやぁ、見事。ランは全く期待できない中、パスだけしかない、と開き直って、やり易くなった髭男爵。この試合、ランで15ヤード獲得。フィッツパトリックはチームのリーディングラッシャー。243ヤードだけど。
ディフェンスも踏ん張った。エリック・ローがインターセプトリターンTD。古巣への恩返し。強烈な意趣返し。
試合前のフローレス。里帰りのジレットで障害者と和かに写真に収まっていた。あまりにも怖い顔からの笑顔に、惚れてまうやろ。シーズン当初このチームに1勝出来るのか、と不安になってしまったがペイトリオッツを破っての5勝。この戦力で5つ勝てたのは評価しても良い。が、選手の掌握、戦力の整備など課題は山積み。ドラフトは全体5位指名権。意中のQB指名は確実とは言えず、どう出るか。そこも注目。
緩やかに落ち始める王朝。ブレイディ、そしてシーズンを通じて支えて来たディフェンスの失速。大事な1stラウンドバイを逃してしまった。元々、ブレイディはドルフィンズは苦手。必ずスイープ出来ない。ペイトリオッツはジェッツ時代の髭男爵にも負けてたな。どっちも苦手。苦手の二乗。ラストドライブ、フィッツパトリックを前にダダ下がるディフェンスはどうしたのか。ギルモアはパーカーに完敗。ここまでやられてしまうギルモアは今シーズン初。思うように勝ち切れず、土壇場の逆転を許す。あり得ないジレッドの悪夢。
ブレイディの調子云々より、オフェンスに決め手がなかったという事だ。昨年に比べて、圧倒出来る強みがなかった。数年前なら、それを上回るブレイディの勝負強さ、ベリチックの策士ぶりで、不足を補って来たのだが。今のブレイディではそこを望めない。プレーより、クラッチであるはずの部分が衰えてしまっているのが要因だろう。
王朝の崩壊を喜ぶ向きもあるとは思うが、現在のレギュレーションで王朝を築くなど、奇跡としか言いようがない。負けてなお、偉大。